iDeCo(個人確定拠出年金)で買ってはいけないもの
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、毎月の掛金を自分自身で運用しながら積み立てていき、60歳以降に受け取る仕組みです。
毎月いくら積み立てるか、どんな金融商品で運用するか、どのように受け取るか、すべて自分自身で決めることができる制度です。こちらは積み立て時の掛け金が全額所得控除であったり、運用利益が非課税である等、享受できるメリットは相当大きいものだといえます。
ただし、現行NISAと異なり、個別株、ETF等は購入できず、指定された投資信託のみに限定されております。
- iDeCoで投資すべきもの
さて、何に投資をすればよいか。それは毎年の成長が見込めるもので、信託報酬の低いものだといえます。個人的には、現時点では、
「iFree NYダウ・インデックス」
をお勧めします。こちらはSBI証券で購入できます。他にも良いものがあれば、順次ご紹介していきたいと思います。
さて「iFree NYダウ・インデックス」ですが、そのベンチマークである「ダウ・ジョーンズ工業株 30 種平均株価」は、1989年(日本のバブル期)から10倍になっておりますが、日経平均は当時の4万円弱の水準の半分にしか回復しておりません。
そしてダウは現在も史上最高値を更新中でございます。
今後の人口動態、国力、技術の発展を考えますと、ますますアメリカ株は伸びると思います。
- iDeCoで投資してはいけないもの
国内債券を筆頭とした、国内資産でしょう。国内株、J-REITについては、日銀のETF買い支えによって支えられていること、今後の日本のGDPの見込みを考えると、成長余地は大きいとは考えられません。
国内債券ですが、なぜこの商品が選ばれたのでしょうか。一般的な投資の理論によりますと、リスク分散のために、債券、株式、不動産等をミックスし、リスクを下げる、等と書かれております。しかし、リスクリターンは歴史的にみても株式の方が高く、なぜ債券を機械的に入れるのか、わかりません。
下表をみてください。
こちらはある銀行のiDeCo用の国内債券の投資信託(信託報酬税込み0.162%)の運用レポートですが、大半の資産を日本国債で運用しております。ベンチマークの「平均複利利回り」(投資におねる年のリターンのこと)が0.11%で、ファンドも同様に0.11%です。
あれ?このファンドの信託報酬0.162%より、ベンチマークと実績の利回りの方が小さいの?と思われた方は鋭いです。そのとおり、運用レポートの数字が真実なら、0.11%-0.162%=▲0.052%が今後のリターンとなります。この商品を購入すると、運用会社に利益を提供するけど、自分は絶対に儲からない仕組みとなっております。
ゼロ金利政策がとられて久しい日本において、日本国債に運用する意味は、あるのでしょうか?今後金利引き上げにかかる価格下落の可能性もあるため、日本国債に資金を置くなら、現金で持っていた方がはるかに得策ですね
どうせ個人にこういうこと説明しないんでしょうね。販売してる銀行員も、その仕組みに気が付かないか、見て見ぬふりなのでしょう。そもそもラインナップが多すぎますし。
金融庁のご指導がありながら、まだまだ個人が金融機関に騙されている(結果的に)状況は変わらないですね。